刺繍について
歴史!
西洋
昔は職人の仕事だった刺繍 古代エジプトの時代から行われたことは、麻地に毛糸で刺繍をほ
どこしていたことが残されている壁画から推察されます。その後、ビザンチンの時代を迎えると飛躍
的に発展し、絹糸や金糸を使い、宝石を散りばめたりして、貴婦人の衣服ばかりか、祭壇や式服まで
にも盛んに用いられるようになりました。そして、ルネッサンの時代に入ると、一般の家庭内でも行
われるようになりました。スペインを中心に、フランス、イギリス、ドイツなどへ。急速な発展をみ
るようになりました。有名なマリーアントワネットはニードルワークの刺繍を好んだために、一般に
流行して、木綿を使って花の刺繍をしたりするようになり、ビクトリア朝の時代になると、婦人の下
着にまで刺繍がなされ、たいへん普及するようになりました。
 京繍(きょうぬい)とは、一本の針と多彩な糸を使い秀麗な模様を縫い表す装飾技法で、仏画を刺
繍で表現した繍仏から発展したといわれています。貴族や武士の装束をあでやかに彩る刺繍技法が確
立しました。繍技法は30種類以上あり、特に『まつい繍『繍切り』など15の技法が伝統工芸品に
認定されています。金銀糸や絹糸をふんだんに用いて紡ぎ出される刺繍紋様は写実的であり風雅。ま
るで一幅の絵画のような情感にあふれる。現在は、和装小物などにその優れた技術が生かされていま
す。
中国
仏画に残る中国古代刺繍 楽浪などから発掘された漢代の墳墓から鎖繍いをした織布など多数
出土しています。唐時代には、大きな帳(とばり)室内をしきるためにさげる布。までつくられてい
て、京都勧修寺の唐伝来の刺繍釈迦説法図などは、全面鎖繍いと玉繍いで縫いつぶされている大作で
、釈迦の肩など肉体の盛りあがりが見事に捉えられています。栄・元の時代に、平繍い、差し繍いの
が生まれ、一段と繊細になり、技法をあますところなく伝えている傑作だといわれています。
豪放華麗な明繍の登場 明の時代、西欧文化の影響を受け、刺繍の技法も飛躍的にも発展します
。清の時代は、衣服や調度品の分野に広く用いられるようになりました。けれど、彩糸・金銀糸など
をふんだんに使ったものが、華やかさを追い求めているきらいが目立ちます。現在、政府直営の刺繍
工場で、伝統保存など新しい技法を駆使しての世界に類のない中国刺繍を編み出しています。
日本
移入 刺繍の技法が移入されたのは、応神天皇の14年2月、百済より縫衣女(きぬぬいおんな
)とし手刺繍工人が貢献されたときだといわれています。
始祖 現在、刺繍業者の間では吉備真備(きひろのまげ)を刺繍の始祖として尊敬しています。
平安時代 服飾文化の急速な発展にともなって、日本の風土に合った日本的刺繍が芽生えはじ
めるようになりました。 
室町時代 京都の文化が華麗と優雅さを誇る時代になり、隆昌の時期を迎えます。織物から染
物へ、織物のもつ重厚さと、染模様のもつ絵画性とを兼ね備えたものとして発展します。この時期
を、本格的な日本刺繍の製造期と呼んでいます。
安土・桃山 黄金時代を迎えます。刺繍と摺箔の技術が結びついて桃山縫箔が生まれた時期で
す。繍い糸を地裂の裏にまわさずにジグザグ繍うのが特徴です。結果、締まりがゆるく、柔らか味
が出て、花や葉柄を段違いに色をかえて繍いあげるなど、自由・大胆なものが多くなりました。
江戸時代 刺繍にとっても桃山時代をしのぐ隆昌の時期。刺繍は、絞り染めなどと弁用され、
精巧さを加えて来ます。友禅めの出現によって新たな転機をもたらしました。染の模様にアクセン
トをつけるためのものとして、繊細な味と巧緻さとが一段と要求されるようになりました。繍法的
に著しく発展をして、さまざまな技法が生まれたのもこの時期のこと。火事衣装・歌舞伎狂言衣装
などに技巧的に精緻な刺繍作品が生まれたのは、この時期の大きな特徴です。
 京繍(きょうぬい)